このコラムでは、児童文学に現れる名ネコをとりあげて語ろうと考えている。しかし、表に現れていては名ネコとはいえない。さりげなく、題名に「ネコ」とつくこともなく、その名まえも表に出てこないのに、そのネコなしに物語はあり得ず、そのネコなしには結末もないという、あたかも身をひそめて獲物をねらうその生態どおり、また気が向けばとことんすりすりするが、気が向かなければ徹底的に無視するというその気性どおりの役割を果たす、そんなネコな物語を、ネコにすべての愛をささげる筆者が、1回に1冊ずつ、ネタ切れになるまで紹介しよう。(イントロダクションより)