最近、故郷の海を作品に書いた。そこには避けて通れない事実がある。どうにかして、作品に書き込みたかった。でも、どうしても物語からはじかれた。ならば、はじかれっぱなしにしておけないその事実を真正面から書くしかないと思った。
(中略)
社会情勢にまったく疎い私が、苦手の戦争に取り組む。どうなることか。作品は、書いてみなければわからない。予想もつかない人物が急に飛び出してきて、ひっかき回されることがある。あるいは、にっちもさっちもいかなくなって頓挫するか……。

とにかく、始めることにする。(イントロダクションより抜粋)